なぜ今、DXなのか?「2025年の崖」の正体と、乗り越えるためのヒント

2025年も、もう8月。夏本番を迎え、暑い日が続いています。
印刷会社である文華堂では、実はもう年賀状の準備が始まっています。じわじわと年末年始が近づいていいると感じます。

今回は、まさにこの「2025年」という今に、私たちが向き合うべき重要なテーマについてお話ししたいと思います。

皆さんは「2025年の崖」という言葉をご存じでしょうか?
実は今、私たち中小企業は会社の未来を創れるかどうかの岐路にあります。

今回はこの「2025年の崖」が何なのか、そして中小企業が「崖」を乗り越えるために具体的に何をすればいいのかを、分かりやすく解説していきます。

 

1. 「2025年の崖」とは?あなたの会社が直面するかもしれない危機

「2025年の崖」とは、経済産業省が発表した「DXレポート」で初めて提唱された言葉です。

これは、多くの日本企業が抱える古いITシステム(レガシーシステム)が原因で、2025年以降に年間最大12兆円もの経済損失が生じる可能性があるという、危機的な状況を指しています。

なぜ、そんなことが起こるのでしょうか?その背景には、主に3つの深刻な課題があります。

  • レガシーシステムの問題

    • 古くて複雑なシステムは、保守・運用に多額のコストがかかります。新しい技術を導入するお金や時間がなくなり、「守りのIT」から抜け出せなくなってしまいます。

    • システムの中身を知るベテラン社員の退職により、誰もシステムの全貌が分からない「ブラックボックス化」が進んでしまいます。

  • 深刻なIT人材不足

    • 新しい技術を扱えるIT人材が圧倒的に不足しています。

    • 一方で、古いシステムを扱える人材も減っており、この二重苦が企業をさらに苦しめます。

  • 高まるサイバーセキュリティリスク

    • 古いシステムは、最新のサイバー攻撃に対応できません。情報漏洩やシステムダウンのリスクが高まり、企業の信用問題や事業停止にも繋がりかねません。

これらの課題は複合的に絡み合い、企業が新しいサービスを創出したり、市場の変化に迅速に対応したりすることを妨げてしまうのです。

 

2. 崖を乗り越えるための3つの戦略

「2025年の崖」は、単なる脅威ではなく、企業を変革させる絶好の機会でもあります。この崖を乗り越え、持続的な成長を遂げるために、企業が取り組むべき3つの戦略をご紹介します。

戦略1:経営層主導でDXのビジョンを掲げる

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、単なるIT導入ではありません。ビジネスや企業文化そのものを変える大きな変革です。だからこそ、経営層が「私たちはどこへ向かうのか」という明確なビジョンと、具体的な行動指針を示すことが不可欠です。

  • 【活用できる制度】 経済産業省が提供する「DX推進指標」や「デジタルガバナンス・コード」を活用して、自社の課題を洗い出し、体系的に戦略を立てていきましょう。

戦略2:古いシステムを刷新し、クラウド化を進める

DXを阻害するレガシーシステムの問題を根本から解決するためには、システムの刷新が不可欠です。

  • まずは「見える化」
    どのシステムがどういった課題を抱えているのか、現状を正確に把握することから始めましょう。

  • クラウド移行の検討
    自社のサーバでシステムを管理するのではなく、クラウドに移行することで、柔軟なシステム運用やコスト削減、セキュリティ強化を実現できます。

  • 無駄をなくす
    長年使われていない不要な機能を思い切って「捨てる」ことで、システムの複雑性を解消し、コストを大幅に削減できるケースもあります。

戦略3:IT/DX人材の育成と確保に投資する

DXを推進できるのは「人」です。変革を担う人材を育てることが重要です。DXの成功は、人材の力にかかっています。

  • 社内人材の育成
    既存社員を再教育し、古いシステムの保守から、データ活用やAIといった「攻めのIT」領域へとシフトさせましょう。

  • 公的支援制度の活用
     国もDX人材育成を強力に支援しています。厚生労働省の「人材開発支援助成金」などを活用すれば、最大75%の助成金が支給されます。

 

3. 失敗事例から学ぶ、転ばぬ先の杖

DXは莫大なコストとリスクを伴うため、失敗事例も存在します。昨年、2024年に「プッチンプリン」でお馴染みの江崎グリコで発生した大規模なシステム障害は、多くの教訓がありました。

システム障害の原因は、新しいシステムへの移行に伴う検証不足や、複雑な業務プロセスの見直しが不十分だったことだと考えられています。

この教訓から言えるのは、システムの刷新は「単なる技術的な作業」ではなく、業務プロセス全体を見直し、慎重な計画とリスク管理を行うことが非常に重要だということです。

 

DX学校は、あなたの会社の「変革の一歩」を応援します!

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 「2025年の崖」を乗り越えるための課題や戦略を解説してきましたが、「自社だけでは何から手をつけていいか分からない…」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

私たちDX学校 広島中央おりづる校は、まさにそうしたお悩みを抱える地域の経営者や担当者の皆さまをサポートするために設立されました。

  • DXの専門家による伴走支援
    貴社の状況に合わせた最適なDX戦略をご提案します。

  • 実践的な講座で人材育成
    専門知識がなくても、DX推進のキーマンとなる人材を育成するお手伝いをします。

今動けば「2025年の崖」は、必ず乗り越えられます。
まずは私たちと一緒に、御社のDXについて考えてみませんか?

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DX学校広島中央おりづる校

中小企業のデジタル化を支援しています!

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