「DXを推進できる人材をどう採用・育成すればいいのだろう…」
IT部門リーダーや、中小企業の経営者の方で、このように考えている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、DX人材戦略について以下の点を中心に詳しく解説します。
- DX人材の定義と必要性
- DX人材の類型と求められるスキル
- 効果的な育成と採用戦略
DX人材にご興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
DX人材とは?
はじめに、DX人材の定義について解説します。
DX人材とは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのスキルと実行力を持つ人材を指します。
単にデジタル技術に詳しいだけでなく、自社のビジネスを深く理解し、データとデジタル技術を活用して事業改革を推進できる能力が求められるのです。
また、主体的に行動し、新しいことに好奇心を持って挑戦し、組織を牽引する役割を担うことが期待されています。
DX人材は、技術力だけでなく、ビジネス視点やコミュニケーション能力も兼ね備えた人材であるといえるでしょう。
なぜ今DX人材が必要なのか
次に、DX人材がなぜ今必要とされているのか、その背景について説明します。
現代のビジネス環境は、技術革新や市場ニーズの変化が非常に早く、企業は常に変化に対応していく必要があります。
そのため、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革し、競争優位性を確立するためのDX推進が欠かせません。
しかし、多くの企業がDXを推進するための人材不足に直面しており、特にIT人材の不足は深刻な課題となっているのです。
経済産業省の調査によると、2030年には最大で79万人のIT人材が不足すると予測されており、DXを推進できる人材の確保が企業の成長を左右すると言っても過言ではありません。
DX推進が欠かせない状況から、企業はDX人材の育成や採用に積極的に取り組む必要性に迫られているといえるでしょう。
DX人材の5つの類型と求められる専門スキル
ここでは、DX人材の5つの類型と、それぞれの職種に求められる専門スキルについて解説します。経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、DXを推進する人材を5つの類型に分類しており、それぞれの役割に応じて必要なスキルを定義しています。
- ビジネスアーキテクト
- デザイナー
- データサイエンティスト
- ソフトウェアエンジニア
- サイバーセキュリティ
ここでは、各類型について詳しく見ていきましょう。
①ビジネスアーキテクト
DX人材の1つ目の類型は、ビジネスアーキテクトです。
ビジネスアーキテクトは、DX戦略に基づいて事業や業務の変革を主導する役割を担い、 新規事業開発や既存事業の高度化、社内業務の効率化など、様々な領域で活躍します。
具体的には、DXの目的設定から関係者との調整、導入、導入後の効果検証までを一貫して推進する能力が求められるのです。
また、ビジネス視点とデジタル技術の両方を理解し、戦略立案から実行までをコーディネートする能力が欠かせません。
さらに、関係者を巻き込みながらプロジェクトを推進する高いコミュニケーション能力とリーダーシップも必要とされるでしょう。
②デザイナー
2つ目の類型は、デザイナーです。
デザイナーは、ビジネスの視点や顧客・ユーザーの視点などを総合的に捉え、製品・サービスの方針や開発プロセスを策定し、デザインする役割を担います。
具体的には、ユーザー体験(UX)を考慮した製品・サービスの設計や、ビジネスモデルの構築などを行います。
また、顧客のニーズを深く理解し、それを具体的な形にするためのデザイン思考も必要です。
さらに、関わる人とのコミュニケーションを円滑に進めるためのファシリテーション能力や折衝能力も求められます。
③データサイエンティスト
3つ目の類型は、データサイエンティストです。
データサイエンティストは、DXの推進において、データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データの収集・解析を行う役割を担います。
具体的には、ビッグデータの分析や機械学習などの専門知識を活用し、ビジネス上の課題を解決したり、新たな価値を生み出したりするのです。
また、統計解析や機械学習を扱う技術的なスキルはもちろんのこと、ビジネスへの深い理解も必要でしょう。
さらに、事業部門と共同してプロジェクトを進めるためのコミュニケーション能力や、分析結果をわかりやすく説明する能力も求められます。
④ソフトウェアエンジニア
4つ目の類型は、ソフトウェアエンジニアです。
ソフトウェアエンジニアは、DXの推進において、デジタル技術を活用した製品・サービスを提供するためのシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う役割です。
具体的には、アプリケーション開発やシステムインフラの構築、クラウド環境の構築などを行います。
また、最新の技術トレンドを把握し、それを自社のビジネスに適用する能力も必要です。
さらに、開発チームと連携してプロジェクトを進めるためのコミュニケーション能力や、品質の高いソフトウェアを開発するための技術力も求められるでしょう。
⑤サイバーセキュリティ
5つ目の類型は、サイバーセキュリティです。
サイバーセキュリティは、DXを推進する上で、デジタル環境におけるサイバーセキュリティリスクの影響を抑制する対策を担う役割です。
具体的には、セキュリティポリシーの策定やセキュリティシステムの構築、サイバー攻撃への対応などを行います。
また、最新のセキュリティ脅威に関する知識を常にアップデートし、リスクを評価する能力も必要です。
さらに、関係者と協力してセキュリティ対策を推進するためのコミュニケーション能力や、セキュリティに関する専門的な知識も求められるでしょう。
DX人材に共通して求められるスキル
DX人材は、経済産業省が示すように単にデジタル技術に詳しいだけでなく、企業の業務を深く理解し、データとデジタル技術を活用して改善策を立案・実行できることが求められます。
そのため、DX人材には、デジタル技術に関する知識だけでなく、ビジネスを理解し、周囲を巻き込みながらプロジェクトを推進する能力が必要となるのです。
具体的には、プロジェクトマネジメントスキル、新規事業の企画力・構築力、IT関連の基礎知識、データサイエンスの知識、AIなどの最先端技術の知識、UI/UXへの知識などが挙げられます。
また、変化への適応力、事実に基づいた判断力、常識にとらわれない発想力、反復的なアプローチ、コラボレーション能力、柔軟な意思決定力、顧客・ユーザーへの共感力といったマインドセットも重要です。
さまざまなスキルとマインドセットをバランスよく備えていることが、DXを成功に導く近道となるでしょう。