これからの時代は、データを最大限に活用できる会社が、厳しい競争を勝ち抜いていくと言われています。もし、あなたの会社に「神エクセル」があるなら、それは未来を見据えたあなたのビジネスを阻んでいる一因かもしれません。
「神エクセル」って、一体なに?
「神エクセル」をご存じでしょうか? もしくは「ネ申エクセル(ねもうすエクセル)」とも呼ばれることがあります。これは、Excelのセルを方眼紙のように使い、印刷の見栄えを最優先に設計されたファイルを指す、ネット上で使われるスラングです。
一見すると美しく整っていて、印刷時にも整然と見えますが、実は大きな問題を抱えています。その問題とは、「神エクセル」は後から他の業務で再利用しにくいデータになってしまうことです。使い回ししづらいデータは、AIによる解析も困難となり、ビジネスに役立てることができません。
これは、デジタル化を進める上で大きな障壁となるでしょう。
印刷用に作ったデータはどうしても再活用が難しくなりますが、これからの時代に本当に重要なのは、データを戦略的に利活用し、業務の効率化やビジネスの成長につなげる姿勢です。印刷だけを考えたデータづくりから脱却し、実務でも役立つデータを整備することが不可欠です。
これが「データ・ドリブン」という考え方です。難しそうに思えるかもしれませんが、簡単にいえば「データを基に判断し行動する」こと。
あなたの会社は、データ活用の体制が整っていますか?もし「神エクセル」に思い当たるなら、これを機に将来を見据えたデータ整備に取り組んでみましょう!
どんなデータを作ればいいの?データ作成の「ちょっとしたルール」
では、具体的にどんなデータを作れば良いのでしょうか?
ExcelやGoogleスプレッドシートでデータを上手に扱い、分析機能を最大限に活用するためには、データのまとまりである「データベース」を正しく整える、いくつかのルールがあります。
ここでは特に大切な「データの整理の仕方」について、ExcelやGoogleスプレッドシートを使う際の「ちょっとしたルール」としてご紹介します。
データを最大限に活用する中小企業にとっても、この基礎は非常に重要です。
Excel/Google スプレッドシートを使う時の「お約束」
- 一番上の行には「項目名」を入れる
- 一番上の行には、必ず「項目名」(見出しのようなもの)を入力します。もし複数の行やセルにわたって項目名が入っていると、データを並べ替えたり、必要なデータだけを絞り込んだりする機能がうまく動きません。
- セルは「結合」しない
- セルを結合すると、データの並べ替えや絞り込みができなくなってしまいます。例えば、「○○地域」のように分けて表示したい情報も、セルを結合せずに、それぞれの行にきちんと入力するようにしましょう。
- 見た目を飾るための行は入れない
- データの範囲の中に、空白の行や、見た目を良くするための線(罫線)のような行を入れないようにしましょう。これらの行も並べ替えの対象になってしまい、データ分析の邪魔になります。
- 「1行に1つの情報」
- データは1行につき1つの情報として入力し、複数行に分けないようにします。例えば、補足のコメントなどを次の行に書いてしまうようなことは避けましょう。
- データと関係ないものは離して置く
- 同じシートの中に、複数の表があったり、データベースのタイトルなど、データ分析には関係ない情報がある場合、少なくとも1行を空けるなどして離して置きましょう。そうしないと、関係ないデータも一緒に並べ替えられてしまい、混乱の原因となります。
- 罫線(ケイセン)は使用しない
- データ分析では、罫線は特に必要ありません。罫線が入ったデータを並べ替えると、罫線自体も一緒に動いてしまい、見た目が崩れることがあります。ExcelやGoogleスプレッドシートには最初からセルの枠線が表示されているので、特別な罫線は不要です。
データの表記をきれいに揃える(名寄せ)
会社の複数のデータを一つにまとめる際には、「名寄せ(なよせ)」と呼ばれる作業を行って、表記のバラつきを統一する必要があります。この作業をしないと、データの正確な分析が難しくなってしまいます。マーケティングや経営戦略に役立てるためには、データの質が不可欠です。
名寄せの具体的な例としては、以下のようなものがあります。
- 日付や時間の書き方を統一する
- 例: 「2024/03/01 21:00」のようにすべて統一。
- 漢字・ひらがな・カタカナの表記を統一する
- 例: 半角カタカナをすべて全角カタカナにする、など。
- 単位を統一する
- 例: キログラム(Kg)とグラム(g)が混ざっている場合、すべてグラム(g)に統一する、など。
- その他の表記の統一
- 郵便番号の最初の「00」が省略されていたり、都道府県名や市町村名が省略されていたりするような表記のバラつきも修正が必要です。
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